2009年2月27日金曜日

愛のマント

最近、日本列島は地震が多発します。専門家によるとすでに、地震の活動期に入っているとのことです。被災者の苦労は、ニュースなどを傍観する私たちには想像を遙かに超えたものがあると推測します。
もう15年ほど前になりますが、北海道奥尻島沖で大地震が発生し、津波が島を襲ったことがありました。島の漁港はそれによって壊滅的な被害に遭い、島民の多くが肉親と家屋を失ったのでした。これはニュースで報道される災害の悲惨さです。しかし、災害は、外面だけではなく、内面を侵害し、心に深い傷を残します。この時に、災害に遭い、家と家族を失った女性との出会いについて、ある牧師から次のような話を聞いたことがあります。
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 講演に行く電車の中である。冬だというに夏の服装で異様なにおいがする女性が何かを吐いて寝ていた。「肩を揺すぶるようにして大丈夫ですか」と声をかけた。彼女は、奥尻島から、放浪の旅をしていた。奥尻島での地震で家族を失い、彼女と共に生き延びたお母さんも自分でいのちを断ってしまった。彼女も記憶喪失になって放浪の旅をしていた。でも郵便の通帳はもって全国を旅行していて、「奥尻島に帰る」ということだ。 それを聞いて、時間があったら奥尻までおくってあげたいような気持ちになったが、講演が待っている。そこでコートを着せてあげた。「私が今あなたにしてあげるものはこれくらいしかない。」その時に、彼女の目からあふれてきた……。 講演を終えて、帰るときは、寒かったが心はポカポカしていた。 そのコートはまさに「愛のマント」となった。そのコートの中にあった名刺を見て、彼女は電話をかけてきた。「私は生きたキリストの愛を見た。あの後、教会に行き、イエス様を救い主を受け入れ、少しずつ希望が与えられてきた。」 
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 私たちの場合も、何か辛いことがあると、神の存在を疑い、絶望的な気持ちになります。しかし、この話は、辛いときにこそ神は私たちの近くにおられ、愛で覆おうと願っておられるということを、示しているような気がするのです。

 「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」ヨハネ3:16

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